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球磨川の治水と今後について

蒲島知事が方針転換みたいな記事が遂に出てしまいました。
正直残念でならない。
蒲島知事はダムによらない治水を実行に移さないままダムを造る気なのでしょうか。

球磨川の治水はカネの動き次第

正直に言ってしまえば、「ダムによらない治水」には金を出さないけど「ダム建設」には金を出す国や自治体の体質にも問題がある。
私としてはまだ何もやってないじゃないかと言うのが本音で、国土交通省がここぞとばかりに試算を出しまくってるのは「ダムによらない治水」など元々存在せずダムありきだったからだと思っています。
正直試算は結構怪しい数字が多いので外部(利権の絡んでない所)による再計算が絶対必要です。
因みに、令和元年東日本台風のおかげで昨年から今年にかけて河川内の砂利取り工事が複数カ所で行われてましたが、そこじゃないだろ!って所や石を積み上げて放置(ロープ網で束ねて河川内に投棄)したり、散々でした。

川辺川ダムが有れば防げたのか?

頭ごなしに否定したい訳では無いので先に宣言しておきます。
防げたかどうかは不明ですが、被害は確実に減っていたのは事実です。
同様に、「ダムによらない治水」が行われて居れば被害は確実に減っていました。

何が言いたいかと言うと、議論ばっかりで頭の固いジジィたちが何もしなかったのに問題があると私は思います。

使われない予算とダム関連予算の大きな違い

川辺川ダムの総事業費は350億円(1998年以前)、2650億円(1998年)、3300億円(2004年)と増額を続けおり、現在でも毎年ダム予算は計上されている。
そして、球磨川の治水対策には1兆2000億円必要と言う報道もあるがこれは全ての治水対策を実行したときの金額であり内訳を報道しないのには悪意がある。
球磨川本川引堤2000億円~2300億円
川辺川筋直轄管理区間引堤760~800億円
川辺川筋県管理区間下流部引堤3300億~4000億円

球磨川本川堤防嵩上げ1000~1100億円
遊水地(掘り込み式、17箇所)8200億円
地下遊水地(17箇所)40000億円

放水路4800~7400億円
など様々な案が出ている。
詳細を知りたい人は(球磨川治水対策協議会・ダムによらない治水を検討する場)を見てもらうと良い。
地下遊水地は考えたやつがアニメの見過ぎで頭の中お花畑だと思うが個人的にはこういうアホな考えは好き(*’ω’*)

現実的にいけば複合的に組み合わせて嵩上げ+一部引堤+放水路(ただし原稿案には反対)などいろいろやっても比較的安く数千億円で出来るのではないかと思う。
年数もダム建設みたいに気前よく金を出してくれれば数年で完成するのではないでしょうか。
因みに、鮎釣ってみんね的案はこれ(私は専門家でもないのでただの案です。)

こんなんどうでしょ?
こんなんどうでしょ?

放水路は狭窄部対策と流下速度の向上を目的として設置し最終的に吉尾位のところから一気に海へ放水と言うのも手だと思う。
原案にある川辺川上流からでは費用が掛かりすぎる事と根源を断つのではなく如何に流すかを考えるべきだと思う。
原案の奴だと人吉球磨南部(白髪岳方面)に集中的に降雨帯が掛った場合対応できな事も理由。
この案以外にも他のダム(油谷・内谷・清願時)による治水対策なども多少なり効果があるのではないかと思う。
とまぁこんな事書いても意味ないのは分かってますからご安心を。
専門家でもなければただの一般人ですから。

川辺川ダムが出来れば治水と言うメリットの代わりに産業が無くなる。

人吉球磨の主な産業は農業・観光であり、川辺川周辺の米は最高に旨い。(球磨川方面の米は不味い所も多い)
観光に関して言えば温泉・川関連観光(川下りやラフティング、鮎釣り)・焼酎がメインとなってきます。
よく考えて頂きたい所ですが、川辺川ダムが出来て水質が悪化したら、川下りやラフティング、鮎釣り壊滅し焼酎は水が美味しくなければ良い物は出来ないのでこちらも終焉
温泉に関しては水脈をよく調査してからダムを造らないと湯量の低下や温度の変化などの可能性があります。

焼酎に関しては支流の水を使っていない限り味は確実に落ちると思います。
水も悪くなり原料の米も悪くなるわけですから・・・

これらの産業が無くなれば人吉球磨は若者の働く場所がなくなり年寄りだけの何れ消滅するかわいそうな地域になるでしょう。
球磨川本流と川辺川からの濁り水が町中を流れる事になり清流を失った球磨川下り、ラフティング関連は倒産、ホテルや民宿・飲食店も連鎖となると思います。
一時的に儲かるのは建設会社だけ。
水が悪くなれば住む必要は無くなるので私も別の場所へ移住すると思います。

神瀬と坂本は人災

神瀬(子供用プールで非難した所)は瀬戸石ダムによる水の流下阻害の影響を良く検証しなければならないと思います。
神瀬地区は瀬戸石ダムのダム湖内ですから。
坂本もダム湖の水位が上昇しゲートを全開放してダム湖の水が直撃したせいで急激な水位の上昇による被害があったと思います。
それと、ニュースにもなりましたが坂本地区は防災無線が整備されているにもかかわらず午前4時に1回だけ避難を呼びかけたと報道がなされています。
(TBS NEWS:https://youtu.be/TreCt5qr6Zw)
つまり、ダムのゲート開放情報は市民に届かず今回の被害を拡大させた要因の一つと言えるのではないでしょうか。

瀬戸石ダムゲート完全開放
瀬戸石ダムゲート完全開放 国土地理院:https://maps.gsi.go.jp/

隠された市房ダムの問題

球磨川最上流部の市房ダムは下流域氾濫放流量を超えた過去最大の放流をしていました。
また、これは全く報道されていない事ですが、市房ダムの放流量は500m3/Sを超えると下流域が氾濫する事は周知の事実であった。という事です。
緊急放流(異常洪水時防災操作)を行う事を躊躇ったが為に通常よりも多い放流量を球磨川に流し被害拡大を招いたともいえるかも知れません。
これは、ダム諸量データーベースから取得してきたデータ(1993年~2018年)の放水量データです。
最大放流量:466.03m3/S(2005/9/6)
最大流入量:662.84m3/S(2005/9/6)
となっています。
この時(2005/9/6)、人吉観測所では4.16cmの観測データーベース上最大の水位を記録しています。
台風14号による被害で記録した水位ですがこの時、人吉地区は計画水位を超え越水寸前まで追い込まれています。つまり、限界値は460 m3/Sであり支流からの流れ込みを最小と見積もっても500 m3/Sが限界放水量であると言えます。
これを超越した600 m3/Sもの水を流せば人吉地区は水没する事は事前に分かっており完全に緊急放流(異常洪水時防災操作)を行う事を回避するために限界を超えた放水を行ったと言えます。
500m3/Sを超えれば越水すると分かっていたはずなので、 600 m3/Sの放水を行うと決定した時点で緊急放流と同様の警告を行っていれば避難開始を早期に始める事が出来、人命や大切な物を持ち出す時間を稼げたと思われます。
ダムの管理職員は出来る事を最大限やってくれたので全く責める事は出来ませんが、放水量の決定をした行政に関しては然るべき検証を行って頂く必要があると思います。

Twitterにて指摘がありましたので追記します。市房ダムの計画最大放流量は650m3/Sです。
台風14号の時の水位を元に検証して事前に緊急放流と同様用の避難警告を行っていればと言う意味で記載した内容です。
「たられば」になってしまいますが・・・
訂正:台風17号ではなく14号です。
市房ダム水位経過
市房ダム水位経過

まとめと言いたい事。

私は川辺川ダムは最終手段であり断固反対とは言いません。
出来る事をやって、どうしてもダメなら作ればいいと思っています。
何もやらずにダム、ダム、ダムと言うのは無責任すぎる。
そして、是が非でもダム反対!と言ってる奴らも同様に無責任だと思います。
まぁ、私も口だけなので無責任ですが・・・

それと、今回の豪雨で外野がさんざん煽りまくってくれたおかげで内部の情報が全く伝わらず報道に至っては間違えた内容を報道しまくって訂正も無く自称専門家を動員して一方的な情報を報道した罪は重いと思います。
そして、豪雨被害に便乗した詐欺も多くあり本当に人間の汚さを知り、ボランティアの皆さんや全国からのメッセージを見ると人間の美しさもまた知る事になり、人の両端を見た気がします。
コロナが落ち着いたら是非、人吉球磨に遊びに来てください。
川辺川の清流を出来る限り残したいと思う理由がきっとわかると思います。
水は綺麗で米も魚も焼酎も旨い!
夜は温泉でゆっくりして昼は川下りや釣りのアクティビティーが満載です!

ここまで読んで頂いた方々には感謝を申し上げます。
読み難い文章だったと思いますが言いたい事をぶっちゃけるのもたまには良いかなと思い書かせて頂きました。

参考資料

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